「テンプレートとしてサイトを保存」が出ない?
またまた汎用的な小ネタです。
SharePointの特徴的な機能の一つとして、「サイトテンプレート」という形で、サイトを作成する際の「型」のようなものを作成することができるというものがあります。
既定でも「チームサイト」「プロジェクトサイト」などいくつかのテンプレートが用意されているのですが、より自社の利用状況にあったコンテンツやメニュー配置のテンプレートを作成して、複数サイトを作る際の手間を減らそう、というのはよく行われる利用方法です。
このサイトテンプレートの作成をGUIから行う場合、「サイトの設定」から「サイトの操作」⇒「テンプレートとしてサイトを保存」のメニューを選択し、テンプレート化するというのが流れなのですが、
こちらの画像のようにメニュー自体が出ないことがあります。
この違いが出る原因が「発行機能を有効化したことがあるかどうか」という点になります。
というのも、以前に「Japan SharePoint Support Team Blog」の方にも記載されたことがあるのですが、発行機能が有効化されたサイトをテンプレート化することはサポート対象外、というのが公式の情報のようです。
【参考記事】
Blogs - Japan SharePoint Support Team Blog - Site Home - TechNet Blogs
この時ポイントとなるのが、「今現在発行機能が有効化されているか」ではなく、「発行機能を有効化したことがあるか」が問題になので、一度発行機能を有効化したが、何らかの理由で今は無効化している、といったサイトでも「テンプレートとしてサイトを保存」のメニューは出ないということです。
ないぞ!となった場合は、今まで発行機能が有効化されたことがないか確認してみてください。
SharePoint 2016でもこの動きは変わらずでした。
サイトテンプレートを作る際や、今後テンプレート化する可能性のあるサイトでは、「発行機能」を有効化しないように注意しましょう!
ドキュメントライブラリへの投稿時にエラーになるパターンとそのエラーメッセージ
間が空いてしまいましてすみません。
今回は、SharePoint 2016の話ではなく、ユーザーが使う際に発生する事象として、ドキュメントライブラリにファイルを投稿した際にエラーが発生するパターンとそのエラーメッセージについてです。
ドキュメントライブラリにファイルを投稿する際、同名のファイルをアップロードすると、基本的には置換するかどうかの確認メッセージが表示され、OKすると上書きでアップロードされます。
ただし、いくつかのケースにおいてはエラーが表示されファイルのアップロードができません。
以下は、ユーザーが編集権限を持っている(ドキュメントの承認はできない)状況下で発生するパターンとそのエラーメッセージです。
①ファイルがチェックアウトされている
これは比較的わかりやすいパターンで、ファイルが別のユーザーにチェックアウトされている場合です。
サイト上でもファイルにチェックアウト中のアイコンがついているので、そこから判別することもできますが、実際に同名のファイルをアップした際にも以下のようなエラーが表示されます。
②同名の未承認ドキュメントがある(メジャーバージョンが存在する場合)
2つ目のパターンとして、アップロードしようとしているファイルと同名の未承認ドキュメントがあるケースです。
これはライブラリでコンテンツの承認、およびバージョン管理機能を有効化しており、かつバージョン設定の「下書きアイテムのセキュリティ」を「アイテムの作成者およびアイテムを承認できるユーザー」に設定している際に発生する可能性があります。
例えばあるユーザー(ここではUser01)がファイルを更新し、メジャーバージョンを発行すると、承認者が承認するまではファイルが「承認待ち」の状態になります。
ここで、「下書きアイテムのセキュリティ」が「アイテムの作成者およびアイテムを承認できるユーザー」にしていると、他のユーザー(ここではUser02)から見た場合、見かけ上「承認済みのメジャーバージョンのドキュメントが存在している」ように見えます。
この状態で、同名のファイルをアップロードすると、実際には未承認のもっと新しいドキュメントが存在するので、以下のようなエラーが表示されます。
アップしたユーザー側からは一瞬あれ?となるかもしれないですが、エラーメッセージの内容が割とわかりやすいので、状況は判断できそうですね。
③同名の未承認ドキュメントがある(メジャーバージョンが存在しない場合)
最後に、②のパターンとほぼ同じですが、メジャーバージョンのファイルが存在しない(0.xバージョンのファイルしかない)場合です。
同じくライブラリでコンテンツの承認、およびバージョン管理機能を有効化しており、かつバージョン設定の「下書きアイテムのセキュリティ」を「アイテムの作成者およびアイテムを承認できるユーザー」に設定しているケースで、あるファイルが初めてアップされた場合、承認されるまではまだメジャーバージョンのファイルが存在しないという状況になります。
この場合、ファイルを先に投稿したユーザー自身は「アイテムの作成者」なので、サイト上からファイルの存在を確認できます。
しかし、その他のユーザーからは「ファイルの存在自体が分からない」状態になります。
この状況だと、ユーザーは同名ファイルはないから問題なさそうだと思ってしまいそうですが、実際はアップロードすると以下のようなエラーが表示されます。
実はこのパターンが曲者で、上図の通り、エラーメッセージが汎用的な内容のため、何故投稿が弾かれたのかがパッと見判断できません。(何となく、権限が足りなくて投稿できないようにも見えてしまいます)
ですが、実際は裏に未承認の同名ドキュメントがあるため、動きとしては既定の動作となります。
ちなみに、「下書きアイテムのセキュリティ」が「アイテムを閲覧できるすべてのユーザー」や「アイテムを編集できるユーザー」の場合は、編集権限を持つユーザーでも「下書き」や「承認待ち」状態のファイルが見えるようになるので、この場合は通常と同じく置換でアップロードすることも可能です。
逆に上書きされたくない場合は、チェックアウト機能も併せて使うなどして、誤操作を防ぐ必要があります。
試してみた限りでは、SharePoint 2010やSharePoint 2016でも、この辺りのパターンやエラーの出方は同様のようです。
ユーザーさんから「ファイルがアップできないんだけど!」的な問い合わせを頂いた場合、物理的な障害等がないようであれば、管理者さんはバージョン関連の設定がされていないかや、未承認ドキュメントが実はないか、辺りを一度確認してみるといいかもしれません。
SharePoint 2016:2013との違い その3-ファイルの禁則文字
本日はユーザーにも影響の大きい違いを1つ。
SharePointへファイルをアップロードする際、使用しているとアップロードを拒否される禁則文字というものがありますが、2016では禁則文字となる対象に変更があるようです。
具体的には、
・「&」や「~」、「{」、「}」がファイル名に含まれている
・GUIDがファイル名に含まれている
・ファイル名が「.」で始まる
・ファイル名が128文字を超える
に当てはまる場合、2013まではアップロードができませんでしたが、2016ではこれらはOKのようです。
試しに「&」を使ったファイル名のファイルをアップしてみます。
2013だとこうなります。
一方、2016では…
確かにアップロードできました!
&などはファイル名としては利用できるので、お客様のルールで、これらの文字を利用している場合など、これまで諦めたりファイル名を変更してもらったりするケースもありましたが、少し柔軟性が増したと言えそうです。
ただ、「%」や「#」については引き続きブロックされるようなので、注意が必要です。
(「/」や「\」は元々ファイル名に使えないので変わりありません)
SharePoint 2016:2013との違い その2-ブロックする拡張子
前回に引き続き、全体管理のWebアプリケーションの設定からです。
Webアプリケーションの設定の1つとして、SharePointサイトへのアップロードをブロックする拡張子の種類を設定する項目があります。
2013まではexeファイル等の実行ファイルなどを含めたかなり多くの拡張子が既定で登録されていましたが、2016では既定で登録されているものがかなり少なく下記画像の6つのみです。
これまで通りだと思ってそのままにしておくと、今まで投稿できなかったものがいつの間にか投稿されてしまっていたということになりそうなので、設計などの際には留意が必要になりそうです。
SharePoint 2016:2013との違い その1-アップロードサイズ
SharePoint 2016のPreview版がリリースされたので、インストールしてみました。
今後正式リリースまでに色々変わるところもあると思うのですが、とりあえず触ってみながら2013と変わったところを、大小関わらず書いてみたいと思います。
ひとまず、初回は本当に小ネタですが、Webアプリケーションの設定画面から。
①アップロードサイズ制限の既定値が違う
SharePoint 2013では既定のアップロード制限サイズは250MBでしたが、SharePoint2016では2047MBで、少し大きくなっていました。
■2013
■2016
ちなみに、2013まではMAXでも「2047MB(約2GB)」までしか設定できませんでしたが、2016の場合、入力で弾かれないという意味だと「2147483647MB」まで指定できるようです。
変換してみると約2048TB(2PB)です。
まあ、2PBなんていうデータがあるのかどうかはさておき…設定できるということと、適切に使えるということは別物なので、現実的にはこれまでに比べて極端に大きなサイズはやはりサポートできないのではないかなと思います。